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ムカデに噛まれてしまったときの応急処置 

 

@ 真っ先に42℃以上できれば46〜50℃の熱めの温湯シャワーもしくは流水を患部に当てながら幹部の外側から内側に向かって、皮膚内に注入された毒を絞り出します。非常に痛いですが、時間とともに迫り来る激痛を和らげるために必要な、極めて重要な応急処置です。お子さんが咬まれた場合も、泣きじゃくるのを我慢して絞り出すか、吸い出してあげましょう。

 

ムカデの毒には激しい炎症を起こす酵素のほかポリペプチドやヒスタミンが含まれており、これらは蛋白質で構成されているため42℃以上の熱により変性し失活します。

そのため患部を冷やす前の熱めの温湯による加熱処理が大変有効です。

 

A 温湯絞出しのあと、氷で患部を冷やしたまま速やかに病院へ向かいましょう。体長10cmを超える大型個体に咬まれた場合、皮膚内へ注入される毒の量が多いことから、子供の場合は特に危篤なアナフィラキシーショックのリスクが高まります。迷わず病院へ、なお、病院へ事前に連絡する場合は、ムカデに咬まれたとは言わずスズメバチに刺されたと伝える方が適切に処置してもらえます。

 

 虫毒アレルギーに詳しい医師でない限り、ムカデは軽視されてしまいます。

 

B できれば、事が起こる前に、虫毒アレルギーに詳しい病院を探しておくのが無難です。熱心な医師のいる皮膚科が最もお勧めですが、無ければ救急病院とし、地図で場所を確認したうえで所要時間も調べておきましょう。そして、万が一の場合、自分で向かうことが無理ならば迷わず救急車を呼んでください。

 

 ムカデは海外において、ごく稀とはいえ死亡事例のある有害生物です。

 くれぐれも軽視しないでください。

 

 

 家の中でムカデを見失ったときの対処方法

 

@ まず準備として、比較的ムカデが集まりやすい水回り(浴室、台所、洗面所、トイレなど)の手の届く範囲に火バサミを常備しておきます。見つけ次第、捕獲し屋外へ放り投げるか、熱湯に漬け込むなどして殺します。

 

A ムカデは布団に入ることがありますが、彼らは好き好んで入っている訳ではありません。屋内に侵入し偶然見つけた隙間だったか、外に干しているうちに迷い込んでしまったかのいずれかです。そもそも湿気を吸い取る物体は好みません。布団を外に干すときは雨上がりを避け、干した布団は必ず夕方までに取り込むようにしましょう。

 

 日没を過ぎて取り込む時は、布団の隙間にムカデがいないか確認しましょう。

 

B ムカデは家屋内に侵入後、おもに夜間に餌を探して徘徊します。しかし、ゴキブリが発生している台所もしくは放置された食品でもない限り簡単に餌を見つけられません。すると、数日で空腹状態となり家中を走り回ります。その後、水を求めておのずと水回りへ向かい、顔を付けてゴクゴク飲める水が得られるとほぼ完全復活します。そこで、浴室、台所、洗面所、トイレにゴキブリホイホイなど粘着トラップを設置しておくことをお勧めします。なお、ゴキブリホイホイは入口の傾斜を切り取り、バリアフリー化して、粘着面の中心に1cm角に切った魚肉ソーセージを置きます。魚肉ソーセージの誘引効果で捕獲率が高まります。

 

C 改めて言いますが、ムカデは強い捕食性をもつ雑食性です。果物やお菓子も餌になることをお忘れなく、食品類は適切に管理しましょう。また、浴室床面の水滴はムカデの復活につながります。できれば拭き取って乾燥させましょう。

 

 ムカデの繁殖生態から見た侵入注意期間

 

 

 3月以降、冬越しした親ムカデは活動を再開し、おもに5〜6月にかけて生殖行動を経て産卵します。

 ムカデはいわゆる交尾はせず、雄ムカデは雌ムカデを、匂いを頼りに見つけ出し、精子の入った袋を置く網籠をつくります。準備ができると雌を誘い、合意が得られると雌を網籠まで誘導します。雄はそのまま立ち去り、雌は雄が残していった精子の入った袋を生殖口から取り込みます。これで貯精が完了しますが、受精は産卵直前に行います。

 一度貯精した雌ムカデは、その後半年以上に渡り数回の産卵が可能となります。

 一回の産卵数は平均20個、最大でも50個程度で、卵は1ヵ月前後で孵化します。孵化後も、独り立ちするまでは、母ムカデが献身的に保護します。 子ムカデは2ヶ月間に脱皮を2回して成長し、自力で獲物を採ることができる様になると親離れして母親の元を去ります。子ムカデはおよそ3年で親ムカデになりますが、その間に10回以上も脱皮を繰り返します。親ムカデの寿命は6〜7年と長く非常に強い生命力を持っています。

 

親ムカデの生殖行動が活発な5〜6月と子ムカデが親離れする9〜10月は住宅への侵入が非常に多くなるため、特に注意が必要です。

 

 

 

 ムカデから身を守るおすすめの対策アイテム

 

 

 ムカデ駆除に効果的な殺虫剤を利用した駆除方法

 

ムカデは多くの殺虫剤に対して感受性が低く、なかなか効きません。ムカデに対して実用的な数少ない有効成分としては、β-シフルトリン、シフルトリン、エトフェンプロックス、フェノトリン、プロポクスルが挙げられます。

 

ムカデ駆除に最も適した有効成分の殺虫剤をあつめてみました。

いずれも殺虫効力の持続期間は、最短2週間〜最長1ヵ月程度です。

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